第一印象を甘く見てはいけない!

選ばれやすいプロフィール写真の考察

このページでは、宣材・プロフィール写真の中でも、特にオーディションや婚活写真といった「選ばれる」ことを念頭にした仕上がりについて、考察していきます。

撮影する人も、お客さまも、どちらにも共通する話題が含まれています。

また、あくまでも当スタジオの経験に基づいた内容で、独自の見解が多く含まれています。

さて、第三者に選考されることを前提にした宣材・プロフィール写真は、

「単に人物をキレイに写せば、それでよいというものではない」

というのが、当スタジオの基本的な考え方です。

それでは「選ばれる」ためには、どのようなことに気をつけて撮影していけばよいのでしょうか?

選ばれるために撮る、代表的な3つのプロフィール写真

  • デビューを目指すオーディション、個性が勝負の応募写真。
  • 名誉と憧れのミスコンテスト、ポーズは控えめがオススメ!
  • 幸せの青い鳥!婚活プロフィールは衣装がすべてです。
応募写真やプロフィール写真、もっと仕上がりにもこだわりたい

失敗しないための選考写真の撮り方とフォトスタジオの選び方を考える

記念写真、記録写真、証明写真、宣材・遺影写真、プロフィール写真、それぞれの違いを正しく理解しているお店やカメラマンさんと出会うことができれば、写真で大きな失敗をしたり、写真で損をしたりする機会を劇的に減らすことができます。

  • 応募写真では、何を着ればよいですか?
  • 写真スタジオ選びの秘訣は何ですか?
  • カメラマンの見極め方はありますか?
  • 初めてだとうまく撮れませんか?
  • 写真写りが悪いのは、遺伝ですか?

オーディションやコンテストでの理想の写真とは?

写真)宣材・プロフィール写真の撮り方の模範ポーズを取るモデル

宣材写真やプロフィール写真は、大きく2つに分類できます。

「日頃 から準備している比較的融通がきく柔軟なパーソナルイメージを表現している写真」と、「特定または限定ニーズや各種オーディションなど、ピンポイントチャンスに合わせて撮る写真」です。

これを、簡単に言うと「使いまわし写真」と「勝負写真」となります。

基本的には、オーディションで宣材写真が選考の基準になる場合は、最新の人物像が分かるものが理想です。

しかし、実際はストックしているベストショットやお気に入りの写真ばかりを使っている場合もあるでしょう。

インターネット等で公開しているプロフィール写真も、5年、10年と使っているケースも珍しくありません。

いつでも最高の一枚を撮影できる環境が身近にあれば、常に新鮮なイメージで幅広いフィールドにチャレンジできますが、なかなか現実はそうもいきません。

携わっている仕事や活動している業界に限らず自分自身が商品として見られる場合は、それを客観的に説明できる書類(パーソナルレジュメやパーソナルドキュメント)が必要です。

実績や経験などの情報 + 写真です。

モデルや声優、タレント業ではプロフィール写真やブックがこの一部に該当します。

宣伝材料としての宣材写真は商品(自分自身)をきれいに見せるだけの写真では不十分であるという事がどういうことが分かるようになれば、まずはその写真で大きく失敗をすることは目に見えて少なくなるでしょう。

しかし、残念ながら、それが理屈では分かっていても形として表現できるカメラマンは、なかなかいません。

多くのカメラマンは、写真を撮る専門家であっても、お客さまを撮るプロではありません。

そして、プロとして、あるいは人物写真専門家として活動している人の中でも、

「写真と撮る」ことと「お客さまを撮る」ことのの違いが分かっている人は、ほとんどいないでしょう。

結局は、出来上がった写真をみて「キレイに写っている」「ピントが合っている」「影がどうのこうの」「光がどうのこうの」といった「写真」に関する評価しかできないということです。

また、よく混同されるケースで、選考用の写真と写真作品の区別ができていないケースも多々あるようです。

両者は、まったく違います。

ハイレベルのプロのモデルの場合は、ライティングの変化だけで、相当なレベルの写真作品となり得ますが、それはプロのモデルだからこそできる表現技法です。

撮影に関する技術的なところは、スタジオスタッフやカメラマンに委ねる部分が大きいとは言え、お客さまもできることは少なくありません。

以下、選ばれることを目指して写真を撮ったり、フォトスタジオを探す場合の、当店オススメのチェックポイントをピックアップしておきます。

  • 普段どのような写真を専門に扱っているか?
  • 記念写真も商品にあるか?
  • 記念写真が、その店やカメラマンの主流になっていないか?
  • 事前の打ち合わせには対応してもらえるか?
  • カメラマンなら、いつでも使える自分のスタジオを持っているか?
  • フォトスタジオや写真館なら、ホームページやカタログで、スタジオ内部を公開しているか?
  • 衣装を変えて撮れるか?それは、無料か?
  • どのような、実績はあるか?
  • その場で、自分でヘアメイクのお直しができるか?
  • ヘアメイクはプロ限定か?自分流でも撮ってもらえるか?
  • フォトデータは無料か?
  • フォトデータはたくさんもらえるか
  • フォトデータはCDにいれてもらえるか?
  • パソコンがなくても、データチェックができるか?
  • 受取後でも、補正や修正を無料でしてもえるか?
  • カメラマンは生粋のプロか、写真カメラマンか、アルバイトか?
  • 撮影料金が安くても、オプションなど、結局高額になるような巧妙な料金設定になっていないか?
  • 予約の変更は可能か?
  • 撮影内容の変更は、当日でも可能か?
  • カメラマンの言葉使いは適切か?
  • 指示ばっかりするカメラマンか?お客さまの希望を聞いてくれるか?

もし、記念写真や記録写真、さらに証明写真も同時に手かげているような「何でも撮れます!スタジオ」の場合は、プロフィール写真に求められる「選ばれたい」「受かりたい」というお客さまの夢を叶えるための写真を撮ってもらえることに、大きな期待はしない方がよいでしょう。

どうしても、やむを得ずに記念写真を手かげている場所で撮影をする場合は、宣材写真と記念写真と、どのような差異を見い出しながら作業をして、どのような違いを意識しいて撮影し、そして仕上げてくれるのかなどを事前に質問してみるのもいいかもしれませんね。

これを読まずして、ナイスショットは語れません!

オーディションや応募用で使うプロフィール写真の5つのお話

その① 1つのイメージに、丸一日を潰す覚悟で!

例えば、広告やメディア展開の現場では最終的にどのイメージでいくか、どの写真を使うかを決定する人がいます。

雑誌であれば編集長、会社の広告であれば宣伝部長や広告代理店のクリエイティブディレクターといった責任あるポジションに該当する立場の人です。

つまり、そういう人の「個人的な思惑」と写真のイメージが一致しないとOKが出ることはありません。

スタッフやカメラマンが、どれだけ立派な意見や"うんちく"を並べても、最後は「鶴の一声」できまります。

これが現実です。

写真によるオーディションや書類選考の現場も同じです。

結局は、審査員が気に入らなければNGとなるでしょう。

どんなに実力があって、どんなにナイス ショットを提出しても、いわゆる個人的な趣味や好みが理由で選ばれないこともあるでしょう。

事務所に所属している者同士が競う場合は、事務所間の力関係もあるかも知れません。

そして、フルーツの味の解釈が10人十色であるように、写真の解釈もバラバラです。

最高の一枚も、別の人が見たら次点写真になってしまうのです。

そんなしがない世界でも、自分の求めるこだわりを忘れず伝えたいメッセージがしっかりと伝わる写真を撮ろうとする気持ちが何よりも大切です。

そのためには時に、(雨の日でも)晴れるまで待つ覚悟が必要かもしれません。

努力は「眼力」となって写真に反映されます。

審査する立場の人がどういうタイ プの人でも「目に止まり記憶に残る」写真には「キラっと何かを感じさせてくれる」ものが写っています。

「雰囲気を感じる写真」には、写っている人の努力が見えるそうです。

記念写真や肖像写真と違い、宣材写真やプロフィール写真が万人受けすることは稀です。

人間はある特定の人から、共通して感じるものがあるそうです。

最新の研究では、テレパシーの存在(現象)も科学的に証明されているようです。

写真に写る「目」ではなく、写真に写った「自分の印象」を見極める「眼」を鍛えることが大切です。

その② 高い撮影料金、受け取れる写真の枚数と種類が重要!

宣材写真の撮影サービスにもいろいろなタイプがあります。

価格もスタジオによってバラバラです。

撮影料金以外にプリント代や写真データ代も必要です。

オススメしたいのは、右向き、正面、左向き、上から下から、ポージングもできるだけ多くのバリエーションで撮ってもらい、さらに服を変え、ヒールを変え、ヘアスタイルも変え、写真に写る総合的なトータルコーディネーションに変化を持たせながら撮影することです。

色を変え形を変えて撮ると、今まで想像だけでしかできなかったイメージが、客観的な形として現れ、そこから「向き不向き、似合う似合わない」を区別できるようになります。

また、バリエーションが多い方が後の使い勝手もよく、利用価値が断然あがります。

そのような手間をかけることで、求めるナイスショットに出会える確 率がグンと高くなります。

残念ながら、そこまで手の凝った撮影サービスを手かているスタジオは、多くはありません。

儲け重視、回転重視の営業スタジオやカメラマンの方が、圧倒的に多いというのが現実ですが、それでも、探せばお客さまと一緒に頑張ってくれるフォトスタジオやカメラマンはいます。

宣材写真の撮影では、百発百中はありません。

むしろ、100枚撮って1枚のスーパーショットが撮れれば、それで全然OKです。

とにかく、どんどん新しいイメージを開拓していくことが未来につながります。

「オーディション写真は、白い服がオススメと聞きました?」

根拠に乏しい噂に振り回されて失敗しないように気を付けましょう。

白や黒は、人によってその個性が生かされたり、その逆もあります。

色彩効果、対比現象、写真の再現範囲の限界など、ビジュアルデザインの基本を熟知しているお店やカメラマンさんであれば、撮影する被写体を実際に見る前から何色がよいかなどという話をすることはありません。

その③ カメラマンは万能ではありません!

人物写真専門のプロのカメラマンは、人の表情から心の状態を見抜く力を身につけています。

難しくて奥の深いスキルです。プロでも、その差はあれど、その技術がないとナイスショットは中々撮れません。

また、せっかくカメラマンがハイテンションで撮影していても、モデル(お客さま)にやる気がなければ、ナイスショットが遠ざかります。

その逆もしかりです。相性が少々悪くても、お金を払った分はしっかりと撮ってもらって、カメラマ ンのありったけの技術とセンスを買いましょう。

本当の笑顔は、楽しい雰囲気の中から生まれます。

逆に言うと、退屈な中で生まれた「作り笑顔」は、「嘘笑い」にしか感じないかもしれません。

写真は、撮る人撮られる人が双方の一生懸命で成り立つ共同作業です。

「いやいや、お金を払っているのだから、それはカメラマンさんやお店の人の仕事でしょう?」

少しでも良い物を、ワンランク上の1枚を、と求めている人の撮影現場は、緊張感と楽しさが混ざり、活気とエネルギーに満ちています。

こういう話が理解できれば、奇跡のナイスショットと出会う日も近いかもしれません。

その④ キャッチコピーや宣伝文句に振り回されないで!

  • 「オーデションは写真によって合格するかどうかが決まります」
  • 「写真の写り方でそのオーデションに受かるか落ちるか分かれます」
  • 「オーディションは写真がすべてです」
  • 「プロのカメラマンがきれいに撮ります」
  • 「経験豊富なヘアメイクが、あなたにぴったりのヘアメイクを施します」
  • 「プロの照明(ライティング)があな たをきれいに写します」
  • 「プロにお任せください」
  • 「私達にお任せください」
  • 「肌をきれいに見せます」
  • 「賢く知的に写します」
  • 「気に入らなければ全額返金し ます」
  • 「有名人多数撮影」「芸能人が集まるスタジオです」
  • 「書類選考合格者続出!」
  • 「ここがうわさの…」
  • 他…

これらは写真屋さんや写真館でよく見かける宣伝に当たり前のように使われているキャッチコピーです。

プロのコピーライターが作った宣伝用の言い回しです。

どれも、上手にできていて、とてもキャッチーです。

まるでオーディションは写真がすべて、写真さえよければ合格できそうな雰囲気です。

撮影技術が凄くて、きれいな写真があればオーディションに合格できるみたいにも聞こえてきます。

写真撮影も立派な商売です。

広告スキル(コピーライティングのテクニック)も必要です。

宣伝が上手でも、お客さまにとって本当に必要な写真が撮れるかどうかは、何の関係もありません。

その⑤ aiがどれだけ発達しても、頼れるプロのカメラマンは消滅しません!

さて、ここまでの話、始めて知った人、すでに知っていた人、ちょっと違うんじゃないと疑問に思った人、いろいろだと思います。

写真の判断は人間の主観によって行われます。

1+1の結果が、判断する人によって、どんな数字にも成り得ると言うことと同じです。

ところで、そもそも選ばれやすい写真なんてあるのかという疑問ですが、審査する人によって選ぶ写真は異なるという事はすでに述べました。

最終的にはそうですが、その前に目につく(目に留まる)写真にはしっかりとした理由と根拠があります。

最新の機材や撮影環境の進歩は、人間が努力して出来得る行為を超えて、誰でも簡単にキレイな写真を撮れる時代を作りました。

しかし、本来、写真には、もっともっと奥の深い部分があるはずです。

誰もが名医や強い弁護士を探し求めるように、是非、頼りになるお店やカメラマンを見つけてください。

記念写真を撮るカメラマンの仕事は、まもなくAIという人工知能によってカバーされるでしょう。

ロボットと会話をしながら写真を撮る時代はもうすぐそこまで迫ってきています。

しかし、これだけは断言できます。

カメラマンという職業がガラパゴスとなっても、ロボットに勝負写真は撮れません。

※掲載内容は、あくまでも当スタジオ独自の見解です。特定の会社やお店、個人を非難したりするものではありません。写真などに関する考え方は、諸説あります。